NFT(Non-Fungible-Token:非代替性トークン)をOpenSeaで出品する際、下記のような疑問を持つ方もいることでしょう。

ブロックチェーンは「イーサリアム」と「ポリゴン」はどっちがよいの?
結論からいえば、出品するNFTのターゲット層によって使い分けてください。
概要としては、下記のとおりです。
- イーサリアムブロックチェーン:世界中の方々をターゲットとしている
- ポリゴンブロックチェーン:日本国内の方々をターゲットとしている
本記事では、NFTをOpenSeaで出品する際のイーサリアムブロックチェーンとポリゴンブロックチェーンの違いと関係性について解説しています。
ぜひ、最後までご覧ください。
NFTをOpenSeaで出品する際の豆知識!イーサリアムとポリゴンとの関係性を解説!
OpenSeaはもともとイーサリアムのブロックチェーン上のDApps(分散型アプリケーション)として立ち上げられました。
その後、イーサリアムのセカンドチェーンであるポリゴンにも対応しました。
現状の両者の関係について、下表にまとめました。

初期のOpenSeaは、イーサリアムブロックチェーンを採用していました。続いて、ポリゴンに対応したという流れです。
項目 |
イーサリアム |
ポリゴン |
利用者 |
多い |
少ない |
OpenSeaでの取引量 |
多い |
少ない |
NFTの価格帯 |
高額傾向 |
少額傾向 |
ガス代(手数料) |
有料 |
無料 |
初回出品にかかるガス代 |
有料 |
無料 |
購入者の負担 |
高額なガス代 |
ポリゴンへのブリッジ |
オークション販売 |
可能 |
不可能 |
円への交換 |
可能 |
不可能 |
処理速度 |
遅い |
速い |
OpenSeaにおけるイーサリアムとは?
OpenSeaのサービス開始は2017年12月で、前述したようにイーサリアムのブロックチェーン上に開設されています。時価総額の最も高いビットコインのブロックチェーン上ではありません。
これは、イーサリアムのブロックチェーンがDAppsとスマートコントラクトに対応していることが理由です。
ちなみに、ビットコインのブロックチェーンは、どちらにも対応していません。

OpenSeaで運用されているイーサリアムブロックチェーンは、ビットコインのブロックチェーンとは異なります。混同しないよう注意してください。
DAppsは一般的なネットショップのように中央管理者が存在せず、分散管理されています。このため、中央管理者による影響を受けないというメリットがあります。
また、スマートコントラクトに対応しているため、支払いを自動化できます。中央管理者がいなければ支払いをめぐるトラブルが起きる可能性が否定できませんが、それが起きにくい構造になっているのです。
そもそも、NFTそのものがイーサリアムの規格である「ERC-721」「ERC-1155」によって始まり、その後、さまざまなブロックチェーンに広まっていったという側面があります。
つまり、NFTそのものも、NFTマーケットプレイスであるOpenSeaも、イーサリアムのブロックチェーンがなければ、存在できなかったと言っても過言ではありません。
※別記事「イーサリアムでOpenSeaに出品する手順」の解説記事にリンクする
OpenSeaにおけるポリゴンとは?
DAppsとスマートコントラクトが利用できるというイーサリアムのメリットは、NFTマーケットプレイスだけでなくDeFi(分散型金融)にも生かされ、イーサリアムの利用は拡大していきました。
このため、処理すべきトランザクションがどんどん増加していき、トランザクション処理に時間がかかるというイーサリアムの問題点が浮き彫りになってきています。

OpenSeaにおけるイーサリアムブロックチェーンは、トランザクション処理に時間がかかるというデメリットがあります。
また、トランザクションを早く行うためには、イーサリアムの手数料であるガス代を増やすことが必要です。このため、ガス代もどんどん上がっていきました。
OpenSea側もガス代の高騰という問題点は把握しており、NFTを手軽に取引できるようにするためにガス代を抑えることが必要と認識していました。
こうした中で目をつけたのが、イーサリアムのセカンドチェーンとして開発されたポリゴンです。イーサリアムやNFTを、ポリゴンのブロックチェーン上に持ち込めるというメリットがあるためです。
ポリゴンはトランザクションを高速化し、ガス代を抑えるなどの目的で開発されています。OpenSeaがイーサリアムのNFTを利用しながら問題を解決するためには、有力な選択肢だったといえます。
ポリゴンブロックチェーンでNFTを出品する際の手順については、こちらの記事で詳しく解説しています。
NFTをOpenSeaで出品したい方必見!ポリゴンがイーサリアムをついに超えた!
ここで、NFTをOpenSeaで出品したいという人に知っておいてほしい情報があります。
ポリゴンのアクティブユーザー数が、イーサリアムを超えたというニュースです。
2021年10月4日のYahoo!ニュースによると、ブロックチェーンメディアのコインデスクは、2021年10月2日のポリゴンのユニークアクティブアドレス数は過去最高の56万6516で、イーサリアムの52万7518を超えたと報じています。
アクティブユーザーの増加率についても、ポリゴンが168%となっているのに対し、イーサリアムの方は0.6%にとどまっていると報じています。
イーサリアムも「ロンドン」のような大型アップデートを行っていますが、処理速度やガス代の問題が完全に解決されているわけではありません。
そうしたなかで、イーサリアムを利用しながら問題が解決できるポリゴンのメリットが注目されていることが、アクティブユーザー数の増加から読み取れます。
現時点ではイーサリアムの時価総額は仮想通貨のなかでは2位で、21位のポリゴンと比較するとまだまだ大きな差があります。また、OpenSeaの利用者も「本家」であるイーサリアムの方が多いのが現状です。
ただし、ポリゴンのアクティブユーザーがイーサリアムを上回ったことは、ポリゴンのOpenSeaの利用者も増えていく可能性が高いことを意味しています。今後を注視したいところです。
【初心者必見】NFTをOpenSeaで出品したい!イーサリアムとポリゴンはどちらがおすすめ?
では、今までNFTを出品したことがない初心者にとって、OpenSeaをイーサリアムとポリゴンのどちらで出品するのがおすすめだといえるのでしょうか。
結論からいえば、NFT初心者にはポリゴンがおすすめです。これは、出品時にかかるガス代が無料で、初期費用を抑えられるというメリットがあるためです。

OpenSeaでは、ポリゴンブロックチェーン上でなら無料でNFTを出品できます。
イーサリアムのOpenSeaを見ると、ポリゴンに比べて利用者が多いため、出品数が多く、高価なものも揃っています。このため、一見するとこちらの方がNFTを売りやすいのではないかと思えます。
しかし、イーサリアムのOpenSeaには、初回出品にガス代が必要という問題があります。利用回数が少ないと、このガス代が回収できないという事態も考えられます。
出品ごとにガス代が必要になってくるのも、問題だといってよいでしょう。下手をすれば、NFTの価格をガス代が上回るということすら起きかねないのが現状なのです。
これに対してポリゴンのOpenSeaは出品数こそイーサリアムに及びませんが、初回出品も、その後の出品もガス代が不要という大きなメリットがあります。
初心者が最初から高価なNFTを販売するのは考えにくいことで、それならば初期投資が抑えられ、NFTが売れれば確実に収益につながるポリゴンがおすすめになってくるというわけです。
用途別!NFTをOpenSeaで出品する際のイーサリアムとポリゴンの選び方とは?
実際には、イーサリアムとポリゴンのどちらがおすすめかは、用途によって変わってきます。
ここでは、想定される用途ごとに、どちらがおすすめかをまとめてみました。
NFT作品を海外コレクターにアピールしたい場合はイーサリアムがおすすめ!
現状では「本家」ということもあり、OpenSeaの利用者はイーサリアムの方が多いのが現状です。海外の利用者も、イーサリアムの方が多くなっています。
既にNFT作家として一定の知名度があり、海外にNFT作品をアピールしたい場合には、ユーザー数の多いイーサリアムの方にメリットがあります。
イーサリアムのOpenSeaには初回の出品料が必要になるうえ、その後の出品の際に必要となるガス代も安くないという問題点があるのは説明したとおりです。
そうした問題点を把握したうえで、世界に向けてNFTをアピールしていきたいなら、ユーザー数の多さは他にはないメリットとなるというわけです。

OpenSeaでNFT作品を海外コレクターにアピールしたい場合は、イーサリアムブロックチェーンを活用しましょう。
NFTで大きく稼ぎたい場合はイーサリアムがおすすめ!
イーサリアムのOpenSeaの特徴の1つに、高額出品が多いことが挙げられます。
特にデジタルアート系のNFTは、高額落札が報じられることも珍しくありません。
これは、オークション方式の出品がイーサリアムのOpenSeaのみであることが原因です。オークションなら価格が釣り上がり、高価になりやすいからです。
逆に、ポリゴンのOpenSeaは現時点でオークション方式が利用できません。手数料の負担が小さいこともあり、低額出品が目立っているのが現状です・
NFTで大きく稼ぎたいと考えているならば、出品料が高いデメリットを計算に入れても、イーサリアムのOpenSeaの利用がおすすめといえます。

OpenSeaでNFTを出品して大きく稼ぎたいクリエーターの方は、イーサリアムブロックチェーンを活用しましょう。
NFT初心者ならポリゴンがおすすめ!
ただし、海外のコレクターへのアピールや、高額での売却はあくまでもNFTの取り扱いに慣れている人が行うものです。基本的に初心者とは無縁です。
初心者の場合は、ゲーム内アイテムのように、比較的価格が安いものの出品が主流です。イーサリアムのOpenSeaの手数料の高さは、大きなデメリットとなります。
また、オークションで価格を釣り上げることも、考える必要はありません。ゲーム内アイテムなどは、高価格となることは考えにくいからです。
そうなると、出品料がかからないという敷居の低さが大きなメリットとなる、ポリゴンのOpenSeaの利用が有力な選択肢となります。

NFT初心者には、OpenSeaのポリゴンブロックチェーンがおすすめです。
NFTを無料で出品したいならポリゴンがおすすめ!
繰り返しになりますが、イーサリアムのOpenSeaは初出品の手数料が必要になりますし、出品のたびに別途ガス代も必要となってきます。
NFTの出品開始当初は、可能であれば無料で出品したいところです。高い価格で売れるかどうかは未知数ですし、手数料による収入の目減りを抑えることが目的です。
イーサリアムでは送金をはじめ、何事を行うにもガス代が必要になり、無料という選択肢は基本的にありません。OpenSeaについても同様だというわけです。
ガス代の問題を解決するために作られたポリゴンのOpesSeaでは、ガス代は基本的に無料です。初期費用を抑えたい人にとっては、おすすめと言えます。

NFTを無料で出品したいなら、OpenSeaのポリゴンブロックチェーンがおすすめです。
ポリゴンに送付したイーサを出金する際の注意点とは?
手数料を抑えることができるなど、さまざまなメリットがあるポリゴンのOpenSeaですが、気をつけなければならないこともあります。
それは、ポリゴンのブロックチェーン上にイーサリアムを送った場合、取り扱いを間違えると仮想通貨(暗号資産)がロストしてしまう危険性があるということです。

異なるブロックチェーン上に仮想通貨(暗号資産)を送金するとロストする危険性があります。
そもそも、同じイーサリアムであっても、イーサリアムのブロックチェーン上にあるものと、ポリゴンのブロックチェーン上にあるものでは、別物の扱いになっているのです。
互換性があるとはいえ、別のブロックチェーン上に送られているのですから、ある意味当たり前のことです。問題は、同じイーサリアムなので、これを忘れてしまいがちなことです。
ポリゴンのブロックチェーン上にあるイーサリアムを、そのまま仮想通貨取引所のアドレスに送付しようとした際に、仮想通貨(暗号資産)そのものがロストしてしまうのです。
こうならないようにするためには、1度仮想通貨(暗号資産)をイーサリアムのブロックチェーン上に戻したうえで、送金するようにしなければなりません。円への交換が「不可能」となっているのは、このためです。
両方のブロックチェーンを行き来させるのは、ちょっとした手間になります。それだけに、ミスによって仮想通貨をロストしないよう、注意しましょう。
まとめ|NFTをOpenSeaで出品するなら用途別でイーサリアムとポリゴンを選ぼう!
今回は、NFT(Non-Fungible-Token:非代替性トークン)をOpenSeaで出品する際に、イーサリアムブロックチェーンとポリゴンブロックチェーンはどちらがよいのかというテーマで解説してきました。
結論をいえば、狙うターゲット層によってイーサリアムかポリゴンかどちらかのブロックチェーンを選んでください。
とはいえ、どちらもメリット・デメリットがあるため、見極めながらOpenSeaを活用することは重要です。
本記事が、NFTをOpenSeaで出品する際に、イーサリアムブロックチェーンとポリゴンブロックチェーンのどちらを選べばよいのか迷っている方の参考になれば幸いです。
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